今回は、ケツメイシを3曲。
まず、すすめてもらった「青空」から。
ミュージックビデオ(MV)が面白い。
ストーリーを追いながら、どゆこと?
意味がようわからん。けど、おかしい。
おかげで歌詞が入ってこないぢゃないか。
歌詞を読みながら、聴き直しましたよ。
気に入ったリリックは、こんなとこ。
《見上げれば悩みも ちっぽけだって
背中押してくれる「いっとけば?」って
恐れ、葛藤、不安に迷うな
見上げればホラ そこに青空》
とか
《広い空の下 みんな迷子
でも信じて背中押す風 愛を
あの重たい雲もいつか去ってく
青空が笑顔でいつも待ってる》
とか。いいですね。
純粋で透明で静かで幸福な空の青さ。
そんな「青い空」へと誘いかける
ほかの詩歌も読み返したくなります。
たとえば、石川啄木のこんな短歌とか。
《不来方のお城の草に寝ころびて
空に吸はれし
十五の心》
※不来方(こずかた):現在の盛岡市。
石川君は、中学時代に授業をサボって
城址に寝に行ってたそうです。
あるいは、RCのこんな歌。
《彼女 教科書 ひろげてるとき
ホットなナンバー 空にとけてった》
(「トランジスタラジオ」RCサクセション)
こちらは授業をサボって校舎の屋上で
ラジオの音楽を聴いている高校生です。
勉強に、仕事に、生活に追われて
空を見上げる時間がなくなってくると
こういう空の青さが心にしみます。
ケツメイシの2曲目は
「ライフ イズ ビューティフル」。
こちらは、人生をテーマにした感動的なMV。
といっても、まったくセリフがないので
映像から物語を想像するだけですけど。
出産のために里帰りした妊婦さんが
同窓会の席で受け取ったのは
自分が小学生(10歳)のときに書いて
忘れていた「30歳の私へ」という手紙。
そのカードに書かれていた言葉は
「お母さんみたいなお母さんになりたいです。」
くーっ。
この曲もMVのストーリーに見入ってしまい、
歌詞がまったく入ってこなかったので
後から歌詞を確認しました。
《「泣き」「笑い」抱え今君が生きてる
それだけの事で誰か幸せに満ちてく
だからこそ言うんだよ
「生きるって素晴らしい」》
《苦労 苦悩 越えた自分に
おはようハローもう辛くないよ
泣いたり悩んだりするから人生は美しい》
歌詞がスッと耳に入ってこないのは、
けっしてMVのせいだけではありません。
ラップのリリックは、ライムを重視したフロウで
独特のバイブスをまとっているので
(って、何言ってるかわかりませんね)
もとい。
ラップの詞は、韻を重視した歌い回しで
独特の雰囲気をまとっているので
私みたいなオヤジには聴き取りづらいのです。
でも、歌詞を読むとメッセージはわかりやすい。
単純な内容をいかにカッコよく歌うか、
それがラップだ、というと単純化しすぎか。
ケツメイシの代表ソング「さくら」のMVも
ショートムービーのような見事な完成度で
多くのファンに絶賛されています。
これはさすがにわたしも知っていました。
《さくら舞い散る中に忘れた記憶と
君の声が戻ってくる
吹き止まない春の風 あの頃のままで
君が風に舞う髪かき分けた時の
淡い香り戻ってくる
二人約束した あの頃のままで》
TVドラマでも映画でも、CMでも、
あるシーンの感動や雰囲気づくりのために
音楽が効果的に使われることがあります。
主題歌や劇伴、BGMなんかがそうですね。
ストーリー性のあるMV作品の場合は、
その映像や物語が楽曲のイメージをつくり、
楽曲がドラマの感動を盛り上げてくれます。
すごいのは、その相乗効果によって
(歌詞がちゃんと聴き取れなくても)
そのMVに感動できてしまうことです。
楽曲も、MVの出来もすばらしいと、
自分が映像で感動しているのか、
音楽に感動しているのか、
詞(リリック)に感動しているのか、
混然となってよくわからなくなりますが
それは、幸福な体験でもあります。