Mrs. GREEN APPLEの「青と夏」は、
2018年夏に公開されたキラキラ映画『青夏 きみに恋した30日』の
主題歌として書き下ろされた楽曲だとか。知らんかった。
流行りの音楽を追いかけない昭和のオッサンでも、
Mrs. GREEN APPLEの名前は、最近ちょこちょこ聞きます。
ただ楽曲については、あの“髯男”っぽいやつ?くらいの認識で
んなことを口にすればファンに叩かれてしまいそう。
【人気投票 1~223位】邦楽の夏うた・夏曲ランキング!
夏に聴きたいおすすめのサマーソングは?
2023年の夏に実施されたインターネットの人気投票では、
数ある“夏うた”のなかで、「青と夏」が堂々の第1位でした。
(※2023年8月24日現在)
なぜ、「青と夏」は、こんなに人気があるのか。
映画の方は、そんなに大ヒットしたようでもないので
やはり、楽曲のよさが多くの人の胸に届いたのでしょうね。
夏らしいアップテンポのバンドサウンドで、
歌詞の内容は、映画の内容に沿った青春応援ソングです。
「大人になってもきっと 宝物は褪せないよ
大丈夫だから 今はさ 青に飛び込んで居よう」
(「青と夏」Mrs. GREEN APPLE 2018)
「青に飛び込もう」とは、青い海にダイブするように
思いっきり青い季節に飛び込め、というエールでしょうか。
「夏が始まった 君はどうだ
素直になれる勇気はあるか」
私みたいなスレた大人になってしまえば、
ストレートな“青い”歌詞をハズかしく感じたり、
その素直さが眩しく、うらやましくも思えます。
この「青と夏」で面白いのは、映画の主題歌でありながら
あえて「映画じゃない」と、くり返し歌っている点です。
「まだまだ終われないこの夏は
映画じゃない 君らの番だ
映画じゃない 僕らの青だ」
(「青と夏」Mrs. GREEN APPLE 2018)
NHKの人気TV番組「ブラタモリ」の主題歌で、
「ハローハロー お元気? 今夜なにしてるの?
TVなんか見てないで どこかへ一緒に行こう」(「女神」2015)
と、井上陽水が誘いかけているのと同じ手法ですね。
夏休みを舞台に、初々しい青春の恋を描いた名曲は
たくさんありますが、YUIの「Summer Song」もその一つ。
「太陽が味方する 日に焼けた君が手をふるから
期待してんだ 約束の季節に飛び込む 人魚みたいに」
(「Summer Song」YUI 2008)
「青と夏」よりも10年前の曲ですが、
やっぱり、「約束の季節」(=夏)に飛び込んでます。
「青と夏」では、「青に飛び込んで居よう」という
レトリックが使われていましたが、
「Summer Song」にも印象的な“青”の表現があります。
「ヘコむ毎日 取り戻す日々 君に会って 笑いあって
“真っ赤なブルーだ” 」
(「Summer Song」YUI 2008)
「真っ赤なブルー」って、どんな色でしょうか。
え? と引っかかって、おもわず想像してしまう。
断言してるからには、そこに何か意図があるはず…。
昭和の歌姫、美空ひばりのヒット曲にこんなのがあります。
「真赤に燃えた 太陽だから 真夏の海は 恋の季節なの」
(「真赤な太陽」美空ひばり 1967)
「Summer Song」の“真っ赤”は、太陽だけではありません。
ギラギラの夏と海、なにより青春の “熱さ”を表現するのに
「真っ赤なブルーだ」というパンチラインが効いています。
言い切る強さが、主人公の思いの強さとも重なります。
曲そのものは、決して暑苦しくはありません。
YUIの軽やかな歌声と爽やかなアコギサウンドを
甘酸っぱい青春ドラマ風の動画で聴かされてしまうと
脳の視床下部がくすぐられて、たまりません。
大人のクリエーターたちが寄ってたかって、
理想的な青春時代を描いてそそのかすから、
みんな夏に飛び込んでしまいたくなるわけですね。笑