22歳が選んだ「夏うた」 (その7)

Mr.Childrenの代表曲の一つ「HANABI」(2008年)は、
医療ドラマ『コード・ブルー』の主題歌として作られた事情もあって、
これまで紹介した“夏の恋うた”とは、かなり印象が違います。

(※今回、タイトルや歌詞に“夏”という言葉が入ってなくても、
選んだ人が夏をイメージする曲であれば“夏うた”としました。)

この「HANABI」には、「何度でも君に逢いたい」とか、
めぐり逢えたことでこんなに 世界が美しく見える」とか、
君を強く焼き付けたい」といったフレーズがあるので、
ラブソングとして聴くこともできるのですが、
どちらかといえば、Mr.Childrenらしい人生の応援ソングです。

では、聴いてみましょう。

「HANABI」の歌詞の主人公は、
この世界と、自分の生き方について問いかけます。

どれくらいの値打ちがあるだろう?
 僕が今生きているこの世界に

一体どんな理想を描いたらいい?
 どんな希望を抱き進んだらいい?

現実に安住して生きる人からは「マジメか!」とか
「そんなん知らんし」とツッコミを入れられるほどの
真摯な自問自答が、ミスチル的世界への入口です。

ちょっと疲れてんのかなぁ」とか
君がいたらなんていうかなぁ
  「暗い」と茶化して笑うのかなぁ」と
冷静に自分を客観視しようと努めながらも、
「…なのかなぁ」とつい疑問形になってしまう。

こうした問いかけが、聴き手の心を揺さぶります。
まったく考えたことのない疑問は、軽い驚きとして。
同じように考えたことのある問題は、強い共感として。

誰も皆 問題を抱えている
 だけど素敵な明日を願っている
 臆病風に吹かれて 波風がたった世界を
 どれだけ愛することができるだろう?
(「HANABI」Mr.Children  2008)

波風のたつ世界で、疑いや憂鬱を抱えながら、
信じられる何かを求めて人生の旅を続ける主人公は、
自分自身と対話し、困難をのり越えようとします。

その姿は、仕事や勉強やボランティアなど、
日々、闘い続ける私たちの自己像でもあります。
だから、「もう一回 もう一回」と聴くたび
もう一度信じてがんばろうと勇気がわいてきます。

決して捕まえることの出来ない
 花火のような光だとしたって
 もう一回 もう一回
 もう一回 もう一回
 僕はこの手を伸ばしたい
(「HANABI」Mr.Children 2008)

こんな世界にも、美しく輝く愛おしい瞬間がある。
花火のように心に広がるサウンドと言葉の力が、
今日も誰かを元気づけていることでしょう。

「HANABI」を含めたMr.Childrenの楽曲の数々が
30年以上の間、どれだけの人を力づけてきたかと思うと、
その尊さは思わず手を合わせるほどです。(合掌)