22歳が選んだ「夏うた」 (その6)

小学生の息子に「俺、ポルノが好き!」と言われて
母親が驚きあわてたという笑い話を聞いたことがあります。
よくよく聞けばバンド名で、ほっと安心したとか。

そんな「ポルノグラフィティ」の数ある名曲のなかで、
今回の“夏うた”に選ばれたのが「ミュージック・アワー」。

歌詞は、ラジオのDJがリスナーの恋の悩みに答える設定で、
アーティストとファンの幸福な関係が歌われています。

ここでおハガキを一通
 R.N(ラジオ・ネーム) “恋するウサギ”ちゃん
 “なぜ人を好きになると こんなにも苦しいのでしょう?”
(「ミュージック・アワー」 ポルノグラフィティ 2000)

恋をすると、なぜ苦しくなるのでしょうね。

DJはその理由を、わかりやすく説明してくれます。

それは心が君のこと 急(せ)かして蹴飛ばしているから

なるほど!
急(せ)かす心と、冷静な理性とのギャップ、
その葛藤でだんだん胸が苦しくなっていくんですね。

キミが胸を焦がすから 夏が熱を帯びてく
 そして僕は渚へと 誘うナンバーを届けてあげる

思わず体ごと誘われるノリノリのサウンド、
最後のサビのフレーズはこんな感じです。

キミが夢を願うから ミュージシャンも張り切って
 また今年も渚には 新しいナンバー溢れていくよ

そういえば、今回選んでもらった “夏うた”のナンバーの
ほとんどが夏を舞台としたラブソングでした。
そして毎年、新しい夏の恋へと誘う歌が届けられます。

というのも、昔から流行歌(ポピュラーソング)の王道は、
“恋”の歌と相場が決まっているからです。

昔から人は、恋の歌で互いに心をなぐさめたり、
恋の物語を楽しんで、盛り上がってきたようです。

たとえば、平成の“恋するウサギ”ちゃんの
約1300年前から恋の苦しみが歌われています。

キュンキュンして死にそう♡」
 っていったら「死ね」っていわれるし
 世間は冷たいもんや
(『愛するよりも愛されたい』佐々木良
令和言葉・奈良弁で訳した万葉集①)

恋(こ)ひ死なば 恋(こ)ひも死ねとや
 玉桙(たまほこ)の道行く人の言(こと)も告(の)らなく
(巻十一:2370番歌)

こんな歌が選ばれて、今に残されているということは、
「恋をしてると人から冷たい言葉を浴びせられるよなぁ」と
この歌(=ナンバー)の心に共感して届けてくれた人、
今であればDJのような人物がいたということです。

ちなみに、「ミュージック・アワー」のDJは、
“恋するウサギ”ちゃんや私たちリスナーに
こんな優しい恋のアドバイスを届けてくれています。

大好きだから踏み出せない 大好きだから臆病になる
強い人にはなれそうにもない 揺れてる君でいいよ

では、アーティストとファンが一体となって
ノリノリで揺れてる「ミュージック・アワー」をどうぞ。